こんにちは、エンチャイルドの広報担当、地球村山歩です。

 今回は、フィリピンの「バヤニハン」について紹介したいと思います。

 人類の歴史は対立と闘争、戦争の歴史だったという言い方がありますが、一方で人類は互いに助け合い、連携・連係してきました。だからこそ、今日このように発展し、人類が共存することのできる社会を実現できているのだと思います。

 単純に考えても、争う道しかないのであれば、とうの昔に人類は滅亡していたでしょう。

 日本列島には伝統的に「互助の精神」というものが存在していますし、聖徳太子が定めた十七条憲法の第一条で有名な「和をもって貴しとなす」に代表されるように、日本人は人と人とのつながりを大切に考える国民性を持っていると思います。

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 さて、フィリピンの「バヤニハン(Bayanihan)」とは何でしょうか。
 バヤニハンとは、フィリピンの伝統的な助け合いの精神のことです。

 バヤニハンは、タガログ語で英雄を意味する「バヤニ」が由来だとされています。率先して人を助ける人こそ英雄であるということなのかもしれません。

 バヤニハン、すなわち、互いに助け合い、支え合う相互扶助の伝統精神をフィリピンの人々自身が誇りに思っていますし、実際にそのように生きていくつもの困難を乗り越えてきたのだろうと想像します。

 山歩もエンチャイルドの活動を通してフィリピンの人々の姿に触れながら、フィリピンの素晴らしい伝統精神だと思っています。

 一方で、「バヤニハン」は、「過度に他者へ依存することで個人の経済的自立を阻害し、ひいては国家の経済発展の妨げになっている」と指摘されることがあるそうです。

 このブログでも何度か書いてきた内容ですが、「過度な他者への依存」は共依存の状態をつくり出し、支配・被支配の関係を生み出してしまいかねません。
 依存心は支配・被支配の関係を生み出す温床となるとも言えるのです。

 もちろん、人は一人で生きているわけでも、一人で生きられるわけでもありません。

 しかし自立なくして共立はありません。
 自助・自立の精神を土台としてこそ、持続可能で支配・被支配とは関係のない共助・共立の共同体を成立させることができると考えます。

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ピース・アドボケイトに任命されたエンチャイルド奨学生たち

 エンチャイルドの支援活動もまた、被支援者である受益者の過度な依存心を助長するものであってはならないと思っています。

 共生・共助・共感の共立社会を実現するためには、無関心と依存心を克服しなければなりません。

 互助の精神、バヤニハン精神が公益性や公共性の高い社会を実現する推進力となるものであることは間違いありませんが、同時に個々の真の自由を実現するものとならなければならないと思います。

 その意味で、西洋思想的な潮流と東洋思想的な潮流が補完的に融合し、新たな次元の思想を生み出していくことが時代の要請なのかもしれません。

 エンチャイルドが提案する「自立・共立」論、ギブ・アンド・ギブ主義が、その一端を担うものとなることを願います。

 受益者である子どもたちを支援者であるピース・アドボケイト(平和の推進者)に育成していくのがエンチャイルドの共育活動の目的です。
 子どもたちを真の英雄(ヒーロー、ヒロイン)に育成することが私たちのミッションです。

 「全ての子どもたちが夢と志を持って生きられる社会」

 ミッション遂行の向こうにそのような世界があることを願って今年も活動していきたいと思っています。

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