こんにちは、エンチャイルドの広報担当、地球村山歩です。
きょうはエンチャイルドに関連させながら「教育」について少し考えてみたいと思います。
幼児教育、家庭教育、学校教育、特別支援教育、社会教育、国際教育…などなど。教育という2文字の付いた言葉がどれだけあるでしょうか。
こんなふうに「~教育」という言葉を思い浮かべるだけで、なんと人間とは教育好きで、教育が必要な存在で、教育に明け暮れている生き物であるかということが分かりますね。
さて、エンチャイルドは社会教育に資する活動を行うことを規約にうたっています。
「社会教育」って、皆さんはどんな教育だと考えますか?
私はある地方自治体の社会教育委員というものを2期4年務めた経験があります。
文科省の資料には以下のようにあります。
「社会教育」
教育基本法は、社会教育の定義について何ら規定していない。広義では、社会教育法における社会教育の定義のように、学校教育に対するものとして学校教育以外の教育を包含する概念と捉えられる。
一方、家庭教育は本来的に社会教育とは別の概念であると考え、学校教育及び家庭教育以外の教育とする狭義の考え方もあり、本条の「社会において行われる教育」は、後者と考えるのが適当である。
文科省においては、社会教育の定義に明確なものはなさそうですね。
「社会教育とは、学校教育及び家庭教育以外の教育」と言い方でもよさそうです。
実際、社会教育委員を務めていた頃、教育委員会の職員のかたに「社会教育って何ですか?」と質問したことがありましたが、やはり明確な回答は得られなかったと記憶しています。
ところで、教育について、ざっくりとした言い方ですが、下図のような時代の変化があるといわれています。
今までは、「知識」「スキル」「暗記・再現力」を身に付けることが教育の中心テーマであったが、これからは、「態度」「価値」「協同、協働力」を身に付けることが教育のより主要なテーマとなる、ということです。
これは世界的な傾向のようです。
確かに自分が受けてきた学校教育の内容を振り返ってみると思い当たるふしがあります。教育の結果、学習の成果として、「知識」「スキル」「暗記・再現力」が問われていたと…。
それが、これからの時代では、「態度」「価値」「協同、協働力」が教育の成果として期待されるものとなる、というわけです。
言い方を変えれば、学校教育の時代から社会教育の時代に変わっていくよ、ということではないかと思います。
なぜなら、「態度」「価値」「協同、協働力」は社会生活においてこそ求められる、必須の社会的要素だからです。
もちろん、「知識」「スキル」「暗記・再現力」は必要です。これを学ぶこと、教育することの意義を否定するものではないでしょう。
しかしこのような変化が生じている理由は、より社会的な要素である「態度」「価値」「協同、協働力」がさらに求められる時代、必要な社会にわれわれは生きているということなのです。
教育は時代の写し鏡だと思います。社会で求められることが学生たちに求められることでもあると考えていいでしょう。
エンチャイルドが進めている社会教育もまた、「態度」「価値」「協同、協働力」を主要な教育の内容として扱ってきました。
エンチャイルドのピースアドボケイト教育のキーワードの一つに「attitude」というものがあります。
「態度」「心構え」「気持ち」「考え」「意見」「姿勢」「身構え」といった意味の英語です。
「attitude」に関する教育は、エンチャイルド奨学生に対する社会教育プログラムにおける主要なテーマの一つとなっています。
エンチャイルドは「より良い社会の担い手」「より良い社会の実現者」の育成のための教育を社会教育の定義と考えます。
「より良い社会」とは、平らかに和する共立の社会です。
エンチャイルドの社会教育プログラムの詳細については次の機会にお話ししてみたいと思います。
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コメント
コメント一覧 (4)
私も父親の立場ですが、子どもたちの学校やPTA、それに伴う地域社会との関わりを通してさまざまな経験をさせていただきました。現場感覚の中で「教育」について考えさせられ、実践させていただいたく良い機会になったと思っています。
今も子どもたちが卒業した(随分前になりますが…)学校(小・中・高)との付き合いは続いており、最前線の学校教育事情に触れさせていただいています。
子どもたちへの教育については、親だけでなく、社会全体がそれぞれの立場から関心を持ってサポートすべきものだと私は考えています。そういう意味で、教育は「共育」でもあると思います。
最後に一言付け加えれば、今は成人した子どもたちを眺めつつ、
子は親の背中を見て育つ
は、良くも悪くも、本当にそうだなあと感じる(反省する)毎日です。
地球村山歩
がしました
今回の記事を読みながら、より教育が本質的なものにシフトしていくんだなと感じました。行動が伴う共創、その先に作り上げられる世界がどんなものかというビジョンをもつことが大事だなと最初思いましたが、いや、それは8つのエレメントを実践しながら、喜びを実感した時に、心の中に描かれていくものなのだと思いました。そうしていくことが、教育だと。
地球村山歩
がしました
エンチャイルドのプログラムはいろんなかたがたの知恵とアイデアによって支えられています。
支援者の皆さまやスタッフの皆さんはもちろん、現地の子どもたち、エンチャイルド奨学生たち自身がプログラムの主役となってくれていることが最大のエンチャイルドの強みであり、成果であると感じます。
これからの時代、ますます社会教育の意義、社会教育プログラムの必要性が問われてくると考えています。
実質的な社会への貢献ができるよう、これからも精進してまいります。
地球村山歩
がしました
人間生活の営みが現れるのが社会であるとすれば、社会教育に明確な定義がないことは、同時にそのことは現代の社会の課題を象徴しているということにつながるでしょうか。
その意味で地球村山歩さんが、社会教育という視点、問題意識を持ちながら教育支援事業を行ってきたことは、この分野の開拓者でもあるということだと思います。
力のいる取り組みだと思いますが、支援者の一人として、私も共観と共感を持って臨みます。
地球村山歩
がしました