こんにちは、エンチャイルドの広報担当、地球村山歩です。

 AFPBB Newsが、3月11日の国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)のヘンリエッタ・フォア(Henrietta Fore)事務局長の声明を伝えています(3月12日付け)。

 声明の要点は以下のような内容です。

 ・教育や貧困、児童婚やうつといった子どもたちに関わる問題のあらゆる指標で悪化が見られ、世代全体への悪影響の長期化が示唆されている。

 ・飢餓状態にあり、孤立し、虐待を受け、不安を抱え、貧困の中で生活し、結婚を強いられている子どもの数が増えている。

 ・子どもの貧困率は、発展途上国では15%上昇する見通しである。

 ・教育面では、世界中の学齢期の子ども1億6800万人が1年近く学校閉鎖の影響を受けており、その3分の1がオンライン教育を受けることができていない。

 ・子どもや若者の少なくとも7人に1人が、過去1年の大半をロックダウン(都市封鎖)下で過ごしており、不安やうつの症状、孤独感が強まっている。

 ・教育や社会交流の他、保健や食料支援、保護といった必要不可欠なサービスを子どもが受ける機会は減っている。子どもたちが今後何年にもわたりパンデミックの傷を負うという兆しは紛れもない。

正面左端がマーク・アドリアン君
外出が規制される中でも現地でのエンチャイルドの教育支援活動は継続しています

 いかがでしょうか?

 世界の子どもたちの置かれている状況は大変厳しいものがあります。特にメンタルヘルスの問題が深刻です。

 フィリピンのエンチャイルドのスタッフによれば、2週間前から18歳以下が外出禁止となったそうです。今まで15歳以下の外出禁止でしたが、より制限が強くなったということです。

 これにより小・中・高の児童・生徒たちの全体が制限を受けることになります。これは大変なことです。

 スタッフの一人も「今フィリピンの子どもたちはかつてないほどの最悪の状況に置かれている」と言っていました。

 フィリピンの子どもたちに限ったことではありませんが、世界の子どもたちの置かれたこのような状況を変えていくためにどのようにしたらいいのでしょうか。

 関係者と何度となく話し合ってきましたが、今エンチャイルドにやれることは、最も大変なこの期間の中で、限定的ではありますが、奨学生たちとその家族に対して可能な限りの物資支援を行うことと、彼らのメンタルヘルスを守るためのサポートを行うことです。

 私たちの支援活動は決して規模の大きいものではありませんが、私たちの活動に関する情報発信を継続的に行うことで、支援の輪の拡大を推進できると考えています。


 このような状況が続いて1年が過ぎました。
 パンデミック終息の見通しはいまだに見えていません。

 たとえ終息したとしても、コロナ禍によってもたらされた教育の崩壊の影響は長く残ることでしょう。
 現在への対処とともに、1年後、2年後を見据えた教育支援を考えなければならないと思っています。

 そのためにも、今最も大事なことは、子どもたちの心に寄り添うことです。

 オンライン・スタディーツアーの実施や情報の交換など、彼らとの交流の継続を図ることで、精神的ダメージへの癒やしとストレスの解消に貢献しなければならないと考えています。

設立10周年企画オンライン上映会
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