こんにちは、エンチャイルドの広報担当、地球村山歩です。
皆さんは人生という時計の真ん中、「正午(中年期)」は何歳だと考えますか?
カール・グスタフ・ユング(1875~1961)というスイスの著名な精神科医であり心理学者の氏によれば、「人生の正午」は40歳前半あたりになるといいます。
人生80年と考えれば、40歳。90歳と考えれば45歳が中間の折り返し地点、中年期、人生の正午と言っていいかもしれません。もちろん、個人差はあるわけですが…。
ユングは、中年期の前を人生の午前、中年期の後を人生の午後とし、中年期の前後では生き方の転換がなされなければならないと指摘しています。中年期の前の外的な活動性を中心とした生き方から、中年期の後は内面性に軸を置いた生き方へと変わっていかなければならないと説きます。
中年期前を成長期(自己実現)、中年期後を成熟期(超自己実現=意味実現、使命実現)と呼んでもいいかもしれません。
山歩には「35歳人生決定説」という持論があります。35歳の頃には人生という山登りの7~8合目、頂上を捉えつつ山頂に向かう尾根に到達して、景色の全体を眺望しているような位置にあると考えます。
20歳前後は自分の人生を自覚する時でしょう。登山口に立ったようなものです。35歳ぐらいまでは、ひたすら黙々と一歩一歩前に進み体を温め高度を稼ぐ人生です。いろいろなことを経験し、仕事を覚え、スキルアップに努める。人間関係づくりに励み、結婚もし、子育てに忙しい毎日。仕事では責任を持ってがむしゃらに投入する時期でもあるでしょう。頂上という夢の実現に向かって全力投球で生きる道程とも言えます。
35歳を過ぎる頃には、自分と自分の家族だけでなく、子どもの学校(PTA)とか地域社会、国家のことにも責任を果たしつつ、世界の動向にも目を向けながら人生を行くことになります。
35歳から49歳までがユングの言う「人生の正午」を迎えなければならない時期だと山歩は考えます。ですから、遅くとも50歳からは内面性に軸を置いた生き方に変わらなければならないと思います。登山に例えれば、山頂での展望を十分に満喫して、下山する行程が人生の午後です。自分を超えたもののために生き、志を立てて人生を過ごす期間です。
『「本当の大人」になるための心理学』(集英社新書)という本の中で、著者の諸富祥彦氏は成熟した大人になるために、すなわち中年期の後の生き方として、「大人が持つべき六つの人生哲学」を紹介しています。以下の6項目です。
①人は分かってくれないものである
②人生は思いどおりにはならないものである
③人は分かり合えないものである
④人間は本来一人である
⑤私は私のことをして、あなたはあなたのことをする
⑥仲間から孤立し一人になってもやっていけないことはない
皆さん、いかがでしょうか。
詳しい解説は本で確認していただきたいのですが、六つの見出しを読んだだけでも何かを感じていただけると思います。
人生を達観した物言いにも聞こえますが、中年期を迎えて人生をどう生きるかという観点で、参考になる内容だと山歩は感じました。
人生の前半期の生き方、後半期の生き方とでは、健康、体力の面だけでなく、社会的にも自らの人生の在り方においても、質的な変化(深化)が求められると思います。
子どもたちを元気にすることのできる大人となるためにも、人生の午後の生き方、過ごし方を考えてみる必要がありそうです。
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