こんにちは、エンチャイルドの広報担当、地球村山歩です。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって海外への渡航が難しくなり、現地を直接訪問し交流するスタディーツアーの実施が難しくなっています。

 過去にも現地への訪問が難しかったり、規模を縮小せざるを得ないこともありましたが、今回のコロナ禍のような状況は、この20年のNGO活動歴の中では初めてのことです。

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現代の国際交流は空を飛ぶことから始まる

 SARS(重症急性呼吸器症候群)やデング熱(蚊が媒介するウイルス性の熱性・発疹性疾患)が流行した時もありましたが、今のような(パンデミックといった)状況ではありませんでした。今のような制限もありませんでしたし、怖い感染症も他人事のように、「自分たちは大丈夫!」などという根拠のない自信?を根拠に渡航していました(もちろんちゃんとリサーチして用心には用心を重ねて…)。

 時に外交問題も現地訪問の難しさの要因になり得ます。
 2010年9月の尖閣諸島中国漁船衝突事件の時、同時期に中国を訪問しましたが、日中間の友好ムードは完全に消え失せ、ピリピリとした緊張の空気が中国社会の隅々にまで流れていました。

 そんな中でもスタディーツアーは強行(というほどでもないか…)。スタディーツアーの最終プログラムとしての教育行政関係者らとの歓送夕食会のさなか、まさにその時、中国人船長釈放のニュースがテレビから流れてきたのです。日本人にとっては複雑な思いもありましたが、会場の雰囲気が暗から明へと一変したあの場面は今も印象的に覚えています。

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中国の子どもと遊ぶ山歩

 フィリピンでの経験を少し言えば、ミンダナオ島における「イスラム国(IS)」によるテロの動きがあった時にはスタディーツアーは実施したものの、テロの脅威ために参加をキャンセルするかたも出ました。
 台風の直撃を受けた現地視察も経験しました。

 振り返れば、 中国で教育支援プロジェクトを始めた2001年9月。活動を終えて帰国した日の夜、「9.11アメリカ同時多発テロ事件」のニュースが衝撃的な映像とともに飛び込んできことは今も忘れられません。
 
 「平和な世界」「平和な社会」のためにと、細々とですがNGO、NPO活動を続けてきました。
 しかし正直言えば、世界も社会もずっと「平和」ではなかったのです。対立と葛藤の波は寄せては返しながら常に誰かを脅かし続けていました。
 国際和平、国際交流には、常に対立と葛藤の影が存在することもまた偽らざる事実なのです。

 さて、中国での活動は2011年にミッションを完了しました。
 国際交流に終わりはありませんが、教育支援プロジェクトにはゴールがあります。海外からの教育支援を必要としなくなる、これが理想(ゴール)であり、これがミッション完了の意味です。

 フィリピンでの活動はすでに2004年から始まっていましたが、NPO法人エンチャイルドが誕生した2011年という年は、「3.11東日本大震災」とともに始まりました。

 2004年から数えて18年、2011年から10周年。フィリピンでのミッションいまだ完了せず。

 エンチャイルドの旅はもうしばらく続きそうです…。

Japan & Philippines

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