こんにちは、エンチャイルドの広報担当、地球村山歩です。 

 昨日に続いて、「NPO法人エンチャイルド」について、Q&A形式でご紹介します。

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Q6 エンチャイルドは貧困問題はどのようにしたら解決できると考えているの?

 フィル・バートル教授の考えによれば、社会問題としての貧困を引き起こす5大要因(The Big Five)が挙げられています。「病気」「無知識」「無関心」「不正直」「依存」の五つです。そして、この5大要因から派生して生じる二次要因として「市場の欠乏」「貧しい社会基盤」「指導の欠落」「悪い政治」「雇用の不足」「能力の欠乏」「無断欠勤」「資本の欠乏」が挙げられます。
 エンチャイルドは、基本的にこの分析に同意します。

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 前回、エンチャイルドのミッションは、「貧困の世代間連鎖を断ち切る」こと(自立支援)であり、「受益者を支援者に育成する」こと(共立支援)であると言いました。

 継続して学校に通えるように経済的支援と精神的支援(心の支援)を同時に行うことで、まず「無知識」「無関心」という要因を除去したいと考えています。

 さらに「受益者を支援者に育成する」ための活動を行います。
 これが「ピース・アドボケイト(平和の推進者)」教育です。ひと言で説明すれば、利他主義(愛他主義)、ギブ&ギブ主義(与えることを本義とする)という価値観を伝える教育です。教育と言っても、それを強制するものではなく、頭だけで理解を促す教育でもありません。

 エンチャイルドのスタッフが、支援者が、実践を通してそれを表します。それが本物であれば、エンチャイルド奨学生たち自身がピース・アドボケイトという生き方を自ら選び取ることでしょう。
 その過程で、「無関心」「不正直」「依存(心)」の問題を解決できると考えますし、10年以上の活動を通して、私たちはその成果を確認し、手応えも感じています。
 「病気」問題については今後の課題ですが、自立支援の一環として、「健康的自立(健康管理)」教育を通して支援していきたいと考えています。

 また、子どもたち(エンチャイルド奨学生)への支援を通して、保護者の意識を覚醒し、保護者自身が貧困問題解決のために努力するよう、保護者向けの学びの場も提供してきました。

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Q7 「共立支援」って何?

 エンチャイルドの自立支援は、子どもたちが自立(「健康的自立」「精神的自立」「社会的自立」「経済的自立」)できる大人になれるようにするために行う支援です。具体的には、学校教育(優秀な成績で大学を卒業することを目指す)が受けられるようサポートします。

 共立支援は、共立社会の担い手(ピース・アドボケイト)になれるようにサポートすることです。
 共立社会の実現を可能にする構成要素を、エンチャイルドは「8エレメント」と呼んでいます。
 「共生」「共食」「共育」「共有」「共感」「共助」「共創」「共観」の八つです。

 共立の状態とは、自立した者たちが互いに八つのエレメントを満たして(実践し、行動を通して)共同体をつくり上げていくものです。そこには、貧困を引き起こす要因となる「病気」「無知識」「無関心」「不正直」「依存」はありません。
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8エレメントと共同体

 しかしながら、正直言えば、共立支援の完成モデルはまだ実現できていません。それを目指しているのがエンチャイルドです。
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 ノーベル経済学賞受賞者であり、米国のシカゴ大学の経済学者のジェームズ・ジョセフ・ヘッグマン教授は、貧困の世代間連鎖を断ち切る四つのキーワードを示しています。「愛着」「支援」「励まし」「刺激」の四つです。

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 エンチャイルドの自立支援と共立支援の活動を振り返って、その根底にはこの四つの要素が流れていると私たちは確信しています。
 支援者の皆さまにも、体験を通してご自身でそのことを見いだしていただければ、それはエンチャイルドにとって望外の喜びです。

エンチャイルドへの参加方法
スタディーツアー(日比交流会)、説明会、報告会、セミナー、
ワークショップなどの活動は、現在、主にオンラインで行っています


「NPO法人エンチャイルド」ってどんな団体なの?(3)に続く



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