こんにちは、エンチャイルドの広報担当、地球村山歩です。
 
 「次回は、エンチャイルドの広報ブログになぜたびたび登山の話題が取り上げられるのか、その理由について書いてみたいと思います」と昨日のブログで結びました。

 ずばり、その理由は、登山は人生に必要なことを教えてくれるからです。釣りが人生に必要なことを教えてくれる、という人もいるでしょう。あるいは、ゴルフから人生を学んだという人も。山歩は、「登山(山歩き)」から人生を学びました。そしてそのことは、エンチャイルドにも通じます。

八ヶ岳縦走登山_190812_0015+
八ヶ岳(硫黄岳)にて

 山歩が本格的に(と言ってもそれほどでもないのですが…)山を歩くようになったのは、40代になってからです。もちろんそれまでも山に登る機会はありました。初めて富士山に登ったのは20代の後半でした。しかしいずれも人から誘われての登山でした。もちろん自然の素晴らしさを発見したり、頂上に到達した時の喜びはありましたが、ほとんどは「登山=疲れる行為」といったものでした。

 ところで、山歩は中学の時、体育の時間に行っていたバスケットボールの試合中に大けがをしました。右膝の靱帯(じんたい)損傷です。1カ月以上入院したと記憶しています。リハビリが大変でした。ギブスと松葉杖の生活を終えた直後は歩くこと、自ら立つことさえできませんでした。一生歩けないのではないかと絶望感を持ったほどでした。

 高校生の時、やはりスポーツをしていて同じ右膝を痛めてしまい、ギブスと松葉杖の生活を余儀なくされました。そして20代中盤にも。バレーボールのゲーム中のことでした。人生で3度ギブスと松葉杖の生活を体験したことになります。
 
 右膝はぼろぼろでした。実際、医者からも、老人の膝の状態だと言われました。普通に走ることもできない足になっていました。正座すらできないのです。そんな中でも富士山に登れたのはまだ若かったからでしょう。

 そんなわけで登山はもちろん、スポーツ全般、膝に負担のかかることは極力避けました。
 そんな山歩でしたが、思うところがあって(振り返れば、その時がある意味では人生の大きな転換点になったと言えます)、登山に挑戦してみようと決めました。子どもたちの運動会で一緒に走ることもできないのにです。
 
 3回はやってみよう。それでだめなら諦めよう。
 1回目、下山時、膝はがくがく、ひどく疲れましたし、足腰も痛みました。しかし気持ちは悪くなかったのです。「また山に登りたい」という気持ちははっきり残っていたのです。
 2回目、3回目と、体も山になじんでいくのが分かりました。
 そこから今の地球村山歩会につながる国際交流トレッキング(日本在住の外国人と日本人で一緒にトレッキングを楽しむアウトドア・イベント)の取り組みを行うようになります。延べ40回ほど企画しました。初めて登る山は必ず事前の下見登山をしましたので、5年ほどの期間でトータルで100回を超える山行回数になったと思います。

 現在の地球村山歩会は登山仲間数人の登山愛好会のようなものです。ここ10年ほどは山に行く回数はだいぶ減ってしまいました。年に数回といったところ。これからは少しずつ増やしていきたいと考えています。

 さて、話を戻しましょう。
 エンチャイルドと登山の関係についての話でしたね。

 山歩はたびたび、フィル・バートル教授の「貧困の5大要因」のお話を紹介してきました。
 「不正直(不誠実)」「病気」「無関心」「無知識」「依存」の五つです。これらの要因をいかに取り除くかが目の前の貧困問題の解決につながるという仮説です。

 実は、登山を通してこの五つの内容と逆のことを意識するようになります。

①不正直(不誠実):山では、自然に対して、自分に対して、また他者に対して、正直(誠実)でなければとんでもない事故やトラブルが起きかねません。つまり、うそやごまかし、不正直、不誠実では山(自然)との付き合い、同行者との関係がうまくいかなくなるのです。

②病気:健康でなければ登山はできません。山登りを意識する生活していると、山に登る時だけでなく、普段から健康に気を付けるようになりますし、積極的に身体のメンテナンスを考えるようになります。体だけでなく、メンタルヘルス、心の管理も重要になってきます。登山自体も健康にいいのですが、登山を意識する生活は健康を意識する生活に変わるということです。

③無関心:山や自然、自分自身、そして同行者に対する関心なくして登山は成功しません。天候や登山道の状態、自分の心身の状態、同行者の状況、食料や山で必要な道具のことなど。常に心と体と頭が覚醒していないと、危険を回避できませんし、楽しい登山は実現しないのです。

④依存:登山における依存心は命取りになります。自立心を維持しなければ、自ら山に登り、山を下りることはできません。言うまでもなく、登山は助け合いで成り立っています。互いの存在を意識し合い、声をかけ合い、食料も共有するというのは山の常識です。しかし、自助・自立が基本であって、依存心が強い人がいると、登山のチーム(パーティー)全体にマイナスの影響を与えることになります。自立→共立(自助→共助)の原則ですね。

 具体的な事例を挙げることはしませんが、登山においても「貧困の5大要因」に通じる内容がリスクとなることがお分かりいただけるのではないかと思います。

 これらの内容は登山に限ったことではありません。
 人生において、あらゆる場面に通じることだと思います。

 次回も「エンチャイルドと登山」のテーマでブログをお届けしたいと思います。

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