こんにちは、エンチャイルドの広報担当、地球村山歩です。
前回に続いて、山極寿一・京都大学総長の著書から引用します。
「食べ物を家族で分かち合い、共同体でともに子育てを行うといった行動は、人間の心を進化させ、高い共感能力を芽生えさせました。共感能力とは、自分以外のものの気持ちを理解する力のこと。人間以外にも、ゴリラやサルにも共感能力は見られますが、人間ほどではありません」(『「サル化」する人間社会』/集英社インターナショナル)
ここに「共食」「共育」「共感」というキーワードを見いだすことができます。
この三つは、国際協力を進めていく上でも不可欠の要素です。
いまだ新型コロナウイルス感染症のパンデミックが終息しない中、恐れるのは、政治的混乱や経済的損失だけではありません。
最も恐れなければならないのは、「人間らしさ」「人類らしさ」が喪失することです。
山極総長の言葉を借りれば、人間らしさ、人類らしさの原初的な内容が「共食」「共育」「共感」だということです。
「共に食べられるようにすること」「子どもたちを見守り、育成すること」「他者への思いやりを持つこと」、言い換えれば、これが平和な状態を実現するための不可欠な要素ではないでしょうか。
エンチャイルドは、小さな団体ですが、平和実現に貢献したいと考えています。そしてそのための活動の基礎を子どもたちへの支援に置いています。
「共食」「共育」「共感」の三つのエレメントをセットで満たすところから平和が生まれてくることでしょう。
2021年、設立10周年を迎えたエンチャイルドも、この三つの人間らしさ、人類らしさの実践に努めてまいります。