こんにちは、エンチャイルドの広報担当、地球村山歩です。
【800】【801】【802】の3回に分けて、フィリピン・カロオカン市のエンチャイルド奨学生、フランシーヌ・ミカエラ・バルモレスさんの長文の手記を紹介しました。
読んでくださったかたはいろいろ感じられたことと思います。いかがでしたでしょうか。
感想など頂けるとうれしいです(コメント欄からでも、info@enchild.org宛てでも構いません)。
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エンチャイルド奨学生の中には親(両親、あるは父親か母親)がいないという子も珍しくありません。死別の場合もそうでない事情の場合もあります。祖父母あるいは祖母、祖父に育てられているケース、親族に身を寄せているケースもあります。
きょうはフランシーヌ・ミカエラさんについて、山歩の知るところをお伝えしたいと思います。
フランシーヌ・ミカエラさんがエンチャイルド奨学生になった2013年は、エンチャイルドの奨学生支援事業の歴史においてターニングポイントとなった年でもありました。
2004年以来、フィリピンでの奨学金支援事業を行ってきましたが、この間「地域(バランガイ)」ごとで奨学生を募集するという形態で教育支援活動を行っていました。もちろん、地元の教育委員会、行政責任者(例えば、マニラ市長、ブトゥアン市長、教育委員会の責任者ら)と連携し、調査および報告しながら。
しかしバランガイ単位での活動は良い面もありましたが、いくつかの課題もありました。
そこで現地関係者とも話し合いを重ね、奨学生の募集をバランガイ単位から、学校単位での募集に変更しました。同時にエンチャイルドの奨学金支援事業を行う学校には、奨学生の学業へのモチベーションを維持するために教員のエンチャイルド・コーディネーターを置くようにしました。それまではバランガイの教育関係のリーダーのかたや奨学生の父母の代表がコーディネーターを務めることが多かったのですが、2013年以降は教育委員会関係者、学校の教員に担当していただいています。
フランシーヌ・ミカエラさんの手記に出てくるホセ・ルーカス先生は、MLQ(マニュエル・ルーク・ケソン)小学校の教員であり、エンチャイルドの現地コーディネーターの一人です。奨学生たちが小学校を卒業した後もケアしてくださっています。
さて、フランシーヌ・ミカエラさんがエンチャルド奨学生になった時、山歩は彼女のお母さんとお会いしました。若いお母さんでした。手記にあった支援式典後のショッピングモールでの交流の時間も一緒に過ごしました。
「何が食べたいですか?」とフランシーヌ・ミカエラさん親子に尋ねると、彼女と彼女のお母さんが「ジョリビー!」(フィリピンで最も人気のあるハンバーガーショップ)と答えたことを今でも覚えています。まさかその4年半後に彼女のまだまだ年齢の若いお母さんが亡くなるとは想像もできませんでした。
フランシーヌ・ミカエラさんが自身のフェイスブックにお母さんのことを投稿していますので、ご紹介します。
【2021年1月7日】
“Now I know why you always asked me to be strong… because you know that one day I would need the strength to bear your loss."
January 07, 2017, 2:47 pm. It has been four years. Today is your fourth death anniversary, Ma. 💗
“なぜあなたがいつも私に強くなれと言っていたのか分かった... なぜなら、いつか私がお母さんの死を背負う力が必要になると知っていたから "
2017年1月7日午後2時47分、もう4年になります。 今日はあなたの4回目の命日だよ、ママ。💗
【2022年1月7日】
Time flies so fast. I still remember how we shared a plate and ate together before you showed signs that you're not with us anymore. That was when you told us that it's raining, the way's muddy, and that there were children playing, though we're in the kitchen that time, on your way to the bathroom. It's still in my mind, that night when I couldn't sleep because I felt that something's not right, then I woke up the next day, hearing that you're in a coma. I can still recall that day when Papa purposely ignored my calls because he didn't want to tell us about your death through a phone call. I still remember everything, every small detail. Miss you, Ma.
時間が過ぎるのは早いですね。 あなたがもう私たちと一緒にいないというサインを示す前に、お皿の料理を分け合い一緒に食べたことをまだ覚えています。 雨が降っている。道は泥だらけ。子供たちが遊んでいる、と言った時、私はキッチンにいて、あなたはトイレに行く途中だった…。 何かおかしいと思いながら眠れず、翌朝目が覚めたら、あなたが昏睡状態だと聞いたことが今でも私の心に残っている。パパが電話であなたの死について私たちに話したくなかったので、わざと私の電話を無視したあの日のこともまだ思い出すことができる。私はまだ全てを覚えている、小さなこと、細部まで。会いたいよ、ママ。
フランシーヌ・ミカエラさんのお母さんが亡くなった翌月(2017年2月下旬)、山歩にできることは何もありませんでしたが、カロオカン市の彼女の自宅を訪問し、短い時間でしたが、彼女と彼女の幼い妹や弟たちと共に交流のひと時を過ごしました。
2020年11月1日、山歩はふと思い立ってフランシーヌ・ミカエラさんにメッセンジャーで「元気ですか?」とメッセージを送りました。
すると彼女から「I'm not that fine. My father just died this morning.」と返信がありました。一瞬何のことか分からず、山歩は「え?どういうこと?意味が分からない!」と返しました。
この年の8月に彼女がお父さんが盲腸の手術したことは聞いていました。手術は無事に済んで回復したと思っていました。医療ミスであったかどうかは分かりませんが、その後お父さんは再び入院することになり、短い期間で命を落とすことになったのです。
11月1日の彼女のメールです。
【2020年11月1日】
We're on our way to Quezon City to visit him. Today is also his birthday. We're planning last night to celebrate it, but this happened. Today is his 46th birthday.
46歳の誕生日の前日、お父さんは旅立ちました。お母さんも若くして突然亡くなりました。二人ともまだまだ若い年齢で幼子4人を残して逝ったのです。
山歩は、2017年2月にフランシーヌ・ミカエラさんの自宅を訪問した際にお父さんともお会いしています。奥さまの死去に対してお悔やみを申し上げることしかできませんでしたが、まさかその3年8カ月後にこんなことになろうとは…。
フランシーヌ・ミカエラさんは気丈な女の子です。お姉さんの自覚が強く、責任感にあふれたティーンエージャーです。
コロナ禍の難しい状況の中で、多くの試練と自分の限界に遭遇したことでしょう。ここ数年の彼女の心の成長がつづられているのが、【800】【801】【802】で紹介したフランシーヌ・ミカエラさんの手記だと思います。
エンチャイルドの奨学生一人一人におのおのの物語があります。
エンチャイルドの広報担当、地球村山歩は、これからもエンチャイルド奨学生たちの心の成長の軌跡をお伝えしていきたいと考えています。
「YAKAP-BAYAN(国を抱擁する)」プロジェクト
台風オデットによる災害に対し、エンチャイルド・フィリピンに新たに設立されたENCHILD-YOUTHを通じて、洪水の影響を大きく受けたBOHOL(ボホール島)とSIARGAO(シャルガオ島)の地域で困っている子供たちを助けるための募金活動を行います。
In response to Typhoon Odette, Enchild Philippines through our newly established ENCHILD-YOUTH, will be conducting a DONATION DRIVE to help our kababayan who are in need especially the area of BOHOL & SIARGAO that greatly affected by the flood due to the Typhoon.
衛生用品、ボトルウォーター、缶詰、インスタントラーメン、パン、毛布などの寄付も受け付けています。
昨年12月の台風22号による被災地への支援活動。日本のエンチャイルドとエンチャイルド・フィリピンが合同で取り組んでいます。1月31日までを期限に取り組んでいます。残り3日となりました。
被災地支援にご協力いただけるかたはinfo@enchild.orgまでお知らせください
振込先情報は、以下のとおりです
① ゆうちょ口座からの口座間振替
記号番号:00180-8-133923
② 他金融機関からの振込先
ゆうちょ銀行 当座:〇一九店 口座番号:133923
新型コロナウイルス感染症の再拡大により、なかなか支援活動も思うように進んでいない状況にありますが、だからこそ、被災地に救援物資と共に励ましの心を届けたいと思っています。
ご協力いただけましたら幸いです。