こんにちは、エンチャイルドの広報担当、地球村山歩です。

 マニラ首都圏のエンチャイルド奨学生の抱負メッセージ(2023年度分)を紹介しています。(2023年度のミンダナオ地域の奨学生の抱負メッセージは、ブログやニュースレターのバックナンバーでご確認ください)

 9人目は、カロオカン市MLQ小学校出身のエンチャイルド奨学生、フランシーヌ・ミカエラ・バルモレスさん(当時、大学1年生/デ・ラ・サール大学、インダストリアル・エンジニアリング、サービス管理専門分野の専攻)です。

 フランシーヌ・ミカエラさんは、エンチャイルド奨学生になってからこれまでの間に、お母さんを亡くし、お父さんを亡くしました。最愛のご両親でした。お二人には山歩もお会いしたことがあります。
 フランシーヌ・ミカエラさんは親戚と一緒に暮らすようになりますが、長女である彼女は、幼い妹や弟たちの世話をしながら、苦労の人生を生きてきました。

 この機会に、抱負メッセージの中に流れるフランシーヌ・ミカエラさんの人生に触れていただきたいと思います。

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左がフランシーヌ・ミカエラさん(2018年)

抱負メッセージ
2023年10月5日
フランシーヌ・ミカエラ・バルモレス

転機

 今年、私は人生最大の転機を迎えました。

 10代の子どもから若者へ
 高校生から大学1年生へ
 文系からエンジニアへ

 私は小学生の頃から大学の法学部を受験し、その後ロースクールに進むという一つの夢がありました。高校に入学すると、夢はより具体的かつ現実的なものとなりました。自分がどんな人間になりたいのか、何になりたいのか、はっきりと分かっていました。

 何年も前に描いた夢に向かってどのように進み、それをいかに人々に知らせていくか、頭の中にはそのステップが描かれていました。
 私だけでなく、同級生や先生たちも、私が討論や人前でのスピーチ、文章作成のスキルを習得するのを見て、私が法学や文系の学位プログラムを追求することを期待していました。

 しかし私が志望する分野においては、奨学金や卒業後の機会が失われているのを目の当たりにして、現実の雨が私の心に降り注ぎ、私の中の情熱は消え始めたのです。

 ハイスクールの人文社会学(HUMSS)の分野で最高の成績で卒業し、ジャーナリズムで複数の賞を受賞した後、法学や政治学ではなく、私が学ぶことになろうとは誰も予想していなかったプログラムである工学を私は選択しました。

 私は長く抱き続け、見上げていた風船を手放し、より機会に恵まれ、より実用的な新しいものを求めなければなりませんでした。
 家族の中で最初の卒業者となり、長期的な見通しを考えなければならなかったため、当初の計画を犠牲にしなければならなかったのです。
 私は自分の情熱を忘れる代わりに、夢の学校において学費免除で学ぶことができたのです。

 私は8年生(中学2年)の時に亡くなった父と私が夢見ていた学校で、授業料と費用の全額奨学金を獲得することができました。
 新しいこの学問の道を進む中で、私はこの方向転換で優れた成果を上げ、成功するためのモチベーションを見つけ、この分野に対する純粋な愛を育んできました。

 私は、当初の夢から遠く離れた道を進むという課題に適応するだけでなく、興味がないと思っていたことを学び、発見する過程で、成長している自分に気付きました。
 単に対処するのではなく、一見すると当初の願望とはかけ離れているように思えた科目を学び、受け入れるというダイナミックなプロセスで成長していることに気付いたのです。
 これは、知識の追求に内在する回復力と適応力の証しです。私は新たな願望と抱負を見つけ、新たな計画を立て、新たな情熱を見いだし、新鮮なアイデアと興味を発見して、新たな目標を設定したのです。

 エンチャイルド奨学生として過去10年間の変化を振り返ると、時が変化をもたらした一方で、変わらないものもあることに気付きました。
 エンチャイルドが私の人生に吹き込んでくれた深い充実感とインスピレーションが、この10年間、常に私のそばに寄り添ってくれました。

 エンチャイルドは、私が8歳の時からずっとこの旅の一部でした。
 支援者の皆さんが私のクラスを含む学校の教室を訪問した時、どれほど驚き、興奮したかを今でも覚えています。

 2013年、私がまだ内気で、優しく、無邪気だった時の思い出は、今でも私の中に響き続けています。私たちが訪れた場所から、私と母の顔に表れたあの忘れられない幸福感まで。

 この10年間、私の仲間たち、支援者の皆さん、ボランティアスタッフの皆さんによって築き上げられた育成環境は、私の学力を高めてくれただけでなく、私の性格や私の志を育み、今日の私を形成する上で重要な役割を果たしてくれました。

 エンチャイルドのサポートの中で、私は母の早過ぎる死や父の死など、人生で最も暗い瞬間のいくつかの試練を乗り越えてきました。エンチャイルドは、私が生き残り、成長し、繁栄するのを助けてくれたのです。

フランシーヌ・ミカエラ・P・バルモレス


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前列中央がフランシーヌ・ミカエラさん(2017年)

TRANSITIONS

 This year, I had the biggest transitions of my life.

 From being a teenage kid to a young adult,
 From being a high schooler to a first-year college student,
 From being a liberal arts ally to being an engineer in transit.

 Since I was in elementary school, I had one dream in my mind: to take up pre-law in college and then proceed to law school. When I entered senior high school, I made my dreams more specific and thorough. I knew exactly who and what I wanted to be. I had my steps sketched in my mind on how I would make my way to that dream I had built years ago and let people know about it. Not just me, but also my peers and former teachers were expecting for me to pursue a degree program aligned to law or liberal arts as they witnessed how I mastered my skills in debating, public speaking, and writing. However, seeing how the field I want to be part of is deprived of scholarships and opportunities after graduation, the fire in me started to die as rain of reality poured in my heart.

 After graduating from Humanities and Social Sciences (HUMSS) strand as With Highest
Honors and multiple awards in journalism, instead of Legal Management or Political Science, I went for the program people least expected me to study. Engineering. I had to let go of the balloon I was holding and looking up to for so long for a new, more opportunity-wise and practical one. My original plan had to be sacrificed because I had to think of long-term prospects as I am the first to graduate in the family. In exchange for forgetting about my passion, I got to study in my dream school for free. I was able to secure a full tuition and fees scholarship in the school I and my deceased father had dreamt of when I was in eighth grade.

 As I am navigating this academic path that is new to me, I have gained genuine love for the
field as I found motivation to excel and succeed in this redirection that I am going through. I have found myself not only adapting to the challenges of taking a path far from my original dream, but also thriving in the process of learning and discovering things I thought I would not be interested in.

 Instead of merely coping, I find myself thriving in the dynamic process of learning and embracing subjects that, at first glance, seemed distant from my initial aspirations. It's a testament to the resilience and adaptability inherent in the pursuit of knowledge. I have found new aspirations and motivations, crafted new plans, uncovered new passions, discovered fresh ideas and interests, and set new goals.
Reflecting on the transformations over the past decade as an Enchild scholar, I recognize that while time has ushered in change, certain things have remained the same. The profound sense of fulfillment and inspiration that Enchild has infused into my life has been a constant companion throughout these ten years.

 Enchild has been a part of this journey ever since I was eight. I still remember how amazed
and excited I was when the sponsor visited our school’s classrooms, including my section. The memories back in 2013, when I was still timid, tender, and innocent, still resonate within me up to this day. From the places that we visited to that unforgettable feeling of happiness, evident on my and my mother's face.

 Throughout the ten years, the nurturing environment created by my co-scholars, sponsors, and volunteers has not only fostered my academic prowess but has also played a pivotal role in sculpting my character, shaping my aspirations, and contributing to the person I am today. In the crucible of Enchild's support, I weathered some of my darkest moments, including the untimely departure of my mother and the loss of my father. Enchild helped me survive, grow, and thrive.

Francine Mikhaela P. Valmores

ミカエラさん
フランシーヌ・ミカエラさん(右)とお母さん
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エンチャイルドのクリスマス会で(前列右端)
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妹、弟たちと
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左がフランシーヌ・ミカエラさん(2018年)


 12月1日までの期間、エンチャイルド奨学生による「クリスマス(サンタになろう!)プロジェクト2024」取り組みのためのご支援を募集中です。

クリスマス・プロジェクト2024++

 さて、「クリスマス(サンタになろう!)プロジェクト」はどのようなプロジェクトなのでしょうか?

❶日本の支援者の皆さまとエンチャイルド奨学生、現地スタッフが共に取り組む、社会課題解決型のクリスマス奉仕プロジェクトです。

❷プロジェクトには、エンチャイルド奨学生たちが3~12人でチームを編成して取り組みます。チームごとに自主的に社会課題を見いだし、その課題を解決するための取り組みとしてプロジェクトを実施します。

❸各プロジェクトの予算は企画内容にもよりますが、1チーム5万円前後を考えています。目標額の資金調達ができれば、6~8チームがプロジェクトを実践することができる計画です。

❹エンチャイルド奨学生を対象に10月27日(日)にオンラインでオリエンテーションの場(公開)を持ち、同時進行で、現地リーダーにマネジメントしてもらいながらチーム編成と社会課題解決のための調査と課題策定のためのなどの取り組みを進めます。

❺11月後半にプロジェクトの企画発表会をオンライン(公開)で行い、調整を図ります。

❻同プロジェクトは、12月~1月に実施される予定です。

❼2025年2~3月に各プロジェクトの結果を共有する報告会をオンライン(公開)で実施します。

目標は40万円です
 
「Give and Give~受益者から支援者へ」 
わたしたちはエンチャイルド奨学生たちによる
クリスマス・プロジェクトを応援しています!

ただ今、エンチャイルド・ユースたちが
創り出すプロジェクトのためのご支援募集中!
(期間:2024年9月28日~12月1日)
      
【郵便振替】
口座番号:00180-8-133923
口座名称:NPO法人エンチャイルド

【お問い合わせ】

info@enchild.org

皆さまのご支援なくしてプロジェクトの実現はありません
何卒ご協力のほど、よろしくお願いいたします!

 以下は、2022年のプロジェクトの結果報告の動画です。ぜひご覧になってみてください。









チラシ

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報告会プレゼン_001
報告会プレゼン_002
報告会プレゼン_003


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世界の子どもたちを元気にする
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国際協力、海外教育支援に
関心のあるかたは、

info@enchild.org まで
お問い合わせください。

ENCHILD

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