こんにちは、エンチャイルドの広報担当、地球村山歩です。

 山歩の好きな桜の季節がやってきました。
 花粉症の悩ましい季節でもありますが、たまには自然を満喫し、花と団子で楽しい時間を過ごしたいものです。

    さて今日は、「教育」について考えてみたいと思います。

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 エンチャイルドはより良い社会、すなわち「理想的な社会共同体」を実現するための要素、「8エレメント(共立のための八つの要素〈価値〉:共生、共食、共育、共助、共創、共有、共感、共観)」という考え方を提言してきました。

 「共」という文字は、「バランス(を取る)」という概念を含んでいると私は考えます。

 自立・共立・公立。
 自助・共助・公助。
 そして、今日のテーマである「教育」も、自育、共育、公育と見ます。

 「自」と「公」だけでは駄目です。政党の話ではありません。
 「共」がなければバランスが取れません。しつこいようですがこれは政治・政党の話ではありません。自●党とか、公●党とか、共●党とは全く関係のない話です。

 「自」は「共」を必要とします。「公」もまた「共」を必要とします。
 「自」と「公」だけが結び付くことはできませんし、仮に結び付いても「自」は「公」にいずれ飲み込まれて同化されてしまうことでしょう。

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 教育の話に戻すと、教育もまた、「自」「共」「公」のバランスを取って行うべきだということです。

 人間は、個性的存在です。100人いれば、100通りの個性がある。ですから、一つの方法で100人を同じように教育することはできないということです。

 公育(主に学校教育を指す)においても、個別性を考慮している面もありますが、社会的位置付けとしてはあくまでも「公」(≒全体)を基準に行われているのが公育です。

 自育について言えば、エジソンやアンシュタインのような人物がいい例です。自育がなされていなければあのような天才、あるいは偉人は世に現れることはなかったでしょう。
  
 自育は、文字どおり本人が自分自身を育てることですが、幼少年期においては親子セットで考えるべきだと思います。ポイントは、家庭における教育です。ティーチング型とコーチング型の教育を両立させられるかどうかが重要です。特にコーチング型の教育がうまくなされないと「個性的な子」ほど成長の道は閉ざされてしまうことでしょう。

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 教育の仕方においては「こうすべき」という決定版はないのではないか―。人の数だけ、子どもの数だけ教育のアプローチの仕方があるのではないかということです。

 社会的存在である人間にとって、自育だけでは教育を完成させることはできないでしょう。公育にだけ依存していてはそれがなされることは決してないでしょう。やはり「共」の存在が鍵となります。

 親でも学校の教師でもない、第3の存在である共育の担い手が必要です。
 塾の先生もそうでしょう。隣近所の人々や町の大人たち、親戚のおじさんやおばさん、祖父母たちもまた共育の担い手です。自育を導く共育であり、自立と共立を両立するための教育が共育の役割です。

 私たちのような教育支援活動を行う者もその一人です。
 子どもを人類(社会)共通の宝として考える。エンチャイルドはそれをストレートに「地球家族」と呼び、「心の国境を超えた家族愛の絆による共同体」として表現してきました。

 社会にバランスをもたらし、健全な個人と家庭のためにサポートするするのが共育の役目だと考えます。
 人は社会的存在であり、いくつもの共同体の中で共生(共食、共助、共創)して生きていく存在です。

 教育という観点で言えば、まず自育を実現すること第一です。より良い自育のために共育の作用が必要です。これが家庭教育と学校教育を補完する意味での社会教育としての共育の意義であり、理想的な社会的共同体形成のために共育が存在する理由だと考えます。

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 現在、フィリピン・カロオカン市のマルセロ・H・デルピラー小学校のプリント学習を支えるためのLAS-Projectを実施中です。ご協力いただけるとうれしいです。

LAS-Project (1)

LAS-Project実施中(3月1日~21日)!
コロナ禍の子どもたちのプリント学習(LAS)を支援しませんか?

 コロナ禍の中、フィリピンの学校教育はオンライン授業を中心に行われていますが、残念ながら全員がオンラインで授業を受けられる状況ではありません。

 そのため、オンライン授業の他に、学校から与えられた課題に家庭で取り組む「モジュール学習(プリント学習)」で対応せざるを得ないのが現状です。

 しかしプリント学習(LAS/Learning Activity Sheets〈学習活動シート〉)を継続的に行うためには、その前提となる「プリンター」「インク」「コピー用紙」などの教育設備や備品の確保が必要となります。

 本来、教育行政および学校が責任をもってその体制を整えるべきですが、実際のところ、そのことが十分になされず、現場の先生がたが負担して対応しなければならないのが実情です。

 そこでエンチャイルドでは、小さな規模ですが、エンチャイルドの支援校の一つであるフィリピン・カロオカン市のマルセロ・H・デルピラー小学校からの要請に応えて、2021年最初の教育支援プロジェクトの取り組みを開始しました。

 同時進行で文具(未使用のもの)を募集しています。寄贈してくださるかたは、3月31日までにエンチャイルドの事務所までお送りください。

【LAS-Project】

◆プロジェクト目標額:15万円
①プリンター2台 ②インク ③コピー用紙

◆プロジェクト期間:3月1日~21日

◆支援先:マルセロ・H・デルピラー小学校

◆プロジェクトの趣旨にご賛同いただけるかたに寄付をお願いしています。

口座番号:00180-8-133923
口座名称:NPO法人エンチャイルド

 郵便振替以外(銀行口座への振り込みなど)でご協力いただけるかたはNPO法人エンチャイルド事務局(info@enchild.org 03-6325-3420)までお問い合わせください。

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